2007年09月05日
米国におけるソフトウエア特許問題の改善動向
アメリカでは特許審査の基準が甘いために、新規性の乏しい特許が多数成立して、イノベーションの妨げとなっています。 そこで・・・
Communications of the ACM 2007年2月号によると、法解釈などの裁判所の裁定で可能な範囲でこの問題を改善しようという動きがあるそうです。 背景として、特許法そのものを修正することは医薬業界の抵抗により無理そうという事情があるとのこと。
第一の改善は、裁判所の判断によっては、「裁判所は必ずしも特許抵触者に業務停止を命じなくても良い」という法解釈を認めることだそうです。 以下が記事の文ですが、この解釈は斬新な気がしますね。 特許で発明者が守られるとは限らないと言っているような
The patent lay says that courts "may" enjoin patent infringement, not that they must always do so.
第二の改善は、ある発明が既知の概念の組み合わせで成り立っているときの審査基準についてです。 従来では、当該発明が既知の概念から容易に類推可能であることを明確に示す証拠がない限り特許が成立してしまっていました。 この基準を見直して、より多くのケースで容易に類推可能と判断することになるようです。
もともと、日本の特許審査では、「容易に類推可能」がよく拒絶理由になるので、第二の改善はあまり影響がないような気もしています。
投稿者 motlab : 22:44 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年10月21日
ET研究会 YouTube編
久しぶりのET研究会に行ってきました 今回はYouTubeについてです
議論のたたき台として用意した図を使っていただきました。 これです。
YouTubeはコンテンツフィルタリングなどの技術を駆使しながら、上手の寒いゾーンでのビジネスを指向しているというのが大方の見方。 だけど、CGMの活性化によりこのゾーンが寒くなくなっていくという見解を持っている人が意外に多かった。
あと、YouTubeを支配下におさめたGoogleについて。 顧客のサイト滞在時間をできるだけ長くしようとするポータルビジネスに対して、Googleはサイト移動の瞬間をとらえる乗り換え駅ビジネス、という整理を始めて聞いて、納得しました。
投稿者 motlab : 21:54
2006年02月23日
二大政党制への道遠し
去年の選挙が大差であった理由は、
自らの地盤を壊しても改革に取り組む自民党と、
保身の論理に縛られている民主党、
との差にあったはず。
その民主党がまた保身の論理を露わにしている。
このままでは二大政党制への道は遠い・・・
投稿者 motlab : 22:20
2006年01月22日
プロダクトなくてはサービスなし
Open Resource | InfoWorld | Rumor Mill: SpikeSource changing sales model | January 18, 2006 10:55 AM | By Dave Rosenberg オープンソースのスタックについて、検証試験による動作確認済みスタックをビジネスとして提供しているSpikeSourceがチャネルパートナを活用する事業展開策を模索しているという噂をきっかけとした記事です。 サービスビジネスとはいえプロダクトありき、という主張です。
サービスビジネスをチャネルパートナ経由で提供するのは難しい。 SI業者が自社で解決してしまうから。 結局、サービスビジネスといったところで、プロダクトをありきが前提。 成功しているオープンソースビジネスはみんなプロダクトを持っている: RedHat, MySQL。
2005年12月19日
2005年、MOT学習室で売れた本
今年もあとわずかとなりました。 Amazonアフィリエイトの履歴をもとに、MOTLABで売れた本のランキングを作ってみました。 技術経営に関する本をお探しの方は参考にしてください。 レビューで扱った本の中では、「OPEN INNOVATION」が1位、「日本のもの造り哲学」が2位でした。
1位 OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて(日本語版) (英語版はこちら)
1位 MOTの真髄~イノベーションはここから始まる
3位 図解入門ビジネス 最新MOT(技術経営)がよーくわかる本―技術者と企業のための実践マニュアル
3位 技術系のMBA「MOT経営」入門
5位 MOT(マネジメント・オブ・テクノロジー)入門―技術系のMBA
6位 日本のもの造り哲学
6位 イノベーションへの解―利益ある成長に向けて (日本語版) (英語版はこちら)
6位 イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (日本語版) (英語版はこちら)
6位 MOTを極める ~最強の「知財戦略」と「プロジェクト思考」
6位 技術経営入門 改訂版
11位 プラットフォーム・リーダーシップ―イノベーションを導く新しい経営戦略 (日本語版) (英語版はこちら)
11位 技術経営の考え方 MOTと開発ベンチャーの現場から
13位 明日は誰のものか イノベーションの最終解 (日本語版) (英語版はこちら)
14位 生きた技術経営 MOT―プロジェクトマネジャーからのメッセージ
14位 MOTアドバンスト 技術ベンチャー―技術系のMBA
投稿者 motlab : 20:23
2005年12月18日
ET研究会に行ってきました Google流の研究
12月17日のET研究会に行ってきました。 今回はGoogleの戦略についてです。
議論の中で感じた大事な点は以下の通り
Yahoo!との比較
本来、GoogleはB2Cのサービス事業者というよりは、B2Cサービス事業者へ技術・サービスをOEM供給するプラットフォーム事業者である。 このため、マジョリティユーザの顧客獲得力を強さとするB2Cサービス事業者のYahoo!とはポジションが異なる。
PC業界に例えれば、Yahoo!は技術開発、プラットフォーム運用から顧客獲得までを垂直統合的に行うAppleモデルを指向しており、Googleは技術開発、プラットフォーム運用を主としてWintelモデルにおけるIntelを指向している。
とはいえ、PC業界のIBM、Compaqに相当するYahoo!, MSNと対立する構図となってしまったので、Intelがやったような武器商人戦略がとれない。 このため、自らエンドユーザ向けにサービスを提供することも必要となっている。 基本的には、自らがサービス提供して市場を創造し、API公開してアフィリエイト経由でマスへリーチする、というのがGoogle流。 (IntelがIALを使ってやっているアーキテクチャリーダシップ活動に近い)
MSNとの比較
OEM供給を主体とするプラットフォーム供給者である点はMSNもGoogleも同じ。 MSNはプラダクト販売、物流のチェーンでプラットフォームを供給してきたが、Googleはオンラインのサービス供給の時代のプラットフォーム供給者である。
投稿者 motlab : 09:16
2005年12月17日
2005年オープンソースの総括
Open-source in '05 -- simplification, assurance - Computerworld
Computerworldにのっていた2005年のオープンソース分野の動きの総括です。ポイントは以下の感じ
1. パッケージングが活発に
SpikeSource, SourceLabsやRedHatのCertified Stackなど
2. コンプライアンス、リスク管理を提供するサービスも増えた
BlackDuck, Palamida, Open Source Risk Management, など
3. 2006は淘汰の年??
今年は雨後のタケノコのように増えた。 来年は淘汰されるだろう。 Professional OSSのビジネスモデルが期待したほど儲からないことに気付き始めている。
4. 上位APのOSSが増えた
Content ManagementのAlfresco, グループウエア(スケジューラなど)のZimbra, CRMのSugarCRM(注目企業)など
5. 有料ソフトベンダのいろいろOSS戦略を打った
オープン化(例Solaris)、OSSソフトの買収(例OracleがInnobase買収)、など
個人的には、Professional OSS=プライベートOSS(コミュニティでなく私企業がソースを維持管理しつつ、ソース公開/無償使用許諾するモデル)が気になっています。
このビジネスモデル単独では期待したほど儲からないということがわかり始めていますが、一方で従来の有料ソフトベンダがパブリックOSS対抗として、プライベートOSSを提供する、という形態が定着するのかもしれません。SMB向けのエントリレベルはプライベートOSS、ハイエンド向けは従来のプロプライエタリソフト、というクラス分けをするイメージ。
そのための買収などの動きが結果として2の淘汰になるのでしょう。
投稿者 motlab : 14:51
