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2005年04月03日
第3章 「もの造りの組織能力」
藤本 隆宏先生の「日本のもの造り哲学」 第3章のレビューです。 メインメッセージは・・・ と表現するのは難しいのですが、「トヨタはなぜ強いのか、トヨタから何を学ぶべきなのか」 を深く考察しています。
キーワード:
・組織能力の三層モデル: 統合能力、改善能力、進化能力
・トヨタ生産方式
・進化 (vs 進歩)
・学習する官僚制 (vs 悪しき官僚制)
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ポイント:
1. 継続的に強さを発揮しているもの造り組織を以下の三層モデルで分析している
統合能力: 一連のルーチンの束を運用しながら、無駄のない生産システム(トヨタ生産システム)を実現する能力。
改善能力: 単純なPDCAをちゃんと運用する能力。
進化能力: 直面する課題に日々対処しながら結果として時代に適合した能力を養う能力 (計画的な変化である進歩とは異なる)
2. トヨタの統合能力
重要な点は、個別のルーチンの良さに依存するのでなく、複数のルーチンが絡み合うトータルシステムで無駄をなくすこと。
特に、無駄のうち「手待ちのムダ」(=材料、仕掛け品に作業・処理が加えられていない時間)を最小化している点が際立っている。
3. トヨタの改善能力
PDCAサイクルをまわすという単純な話なのだが、トヨタでは社内の全員がこれを頭に入れて日々実行している。
4. トヨタの進化能力
進化のカギは事後的対応能力、つまり思わぬ結果や制約条件に善処する能力である。 トヨタは、組織全員を巻き込んだ創発的プロセスによってこの能力が実現されている。
また、進化を達成するためには、変異(variation)するだけでなく、保持(retention)することが重要である。 このために、「標準化」、「文書化」という官僚的な活動が必要であり、トヨタのやり方は学習する官僚制と表現できる。 学習する官僚制の特徴は、標準化・文書化を徹底して行うと同時に、不具合・改善点を発見しながら標準・規定の改定を絶えず行うことにある。 (保守的、硬直的な悪しき官僚制とは異なる)
感想: トヨタ方式を表面的に解説している書は他にもあるのだけど、もっと深層の組織能力を伝えようという姿勢が良いです。 論点が多すぎて全部消化するのが難しい章ですが、トヨタの強さを伝えようとすればこのように多面的な書き方になってしまうのだろう、と思いました。 特に何回も読み直したい章です。
投稿者 motlab : 2005年04月03日 21:34