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2005年03月27日

「第2章 強い工場・強い本社への道」

「日本のもの造り哲学」の第2章のレビューです。 メインメッセージは、収益力をあげられるように戦略構想力を身につけることが大事だけど、その反作用で本来のもの造り能力を失わないのようにしなければいけない、ということです。 

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キーワード:

・「強い工場・弱い本社」、「強い工場・強い本社」
・4つの力: 「もの造りの組織能力」、「裏の競争力」、「表の競争力」、「収益力」
・全社レベルのクロスファンクショナルチーム
・ボトムアップのアイディア出しとトップダウンの実行

ポイント:

1. もの造り企業の実力の4階層モデル
以下の4階層モデルで分析することを提唱している。

もの造りの組織能力: 複雑に絡み合った多くの組織ルーチンを一体的に運用しながら効率的なもの造りを実現するチームワーク能力。

裏の競争力: 「開発リードタイム」、「不良品率」などもの造り現場のパフォーマンスを示す力

表の競争力: 顧客の評価に基づくパフォーマンス。 品質イメージ、ブランド、納期、パフォーマンス。

収益力: 最終的に利益を上げる力。 売上高営業利益率、株主資本利益率、など。

日本企業を分析すると、もの造りの組織能力、裏の競争力はいまだに強い。 しかし、表の競争力、収益力は弱い。 つまり、もの造りの強さはあるのに、戦略的な強さがない。 強い向上・弱い本社の典型的な状態である。 本社が企画・計画業務で戦略検討をしているが、現場と乖離している企業が多い。

2. 強い現場と強い本社の両立
とはいえ、戦略的な強さを追求するあまりに、本来のもの造りの強さを失ってはいけない。

3. ゴーンの日産改革
ゴーンによる日産改革は、もの造りの強さを維持しながら、強い本社でV字回復を達成した実例である。 注目すべき点として下記が挙げられる。

・ 現場主義: ゴーン自ら徹底して現場を周って現場を把握し、現場の提案を重視したこと
・ 工場で実践されてきたクロスファンクショナル活動を全社レベルで行ったこと
・ アイディア出しをボトムアップで行い、トップ主導で実行したこと

考察:

MITスローンスクールのクスマノ先生がThe Business Of Softwareという著書に関する 講演会において、「米国IT企業にとってはsoftware is business(収益力追求)であるのに対し、日本IT企業にとってはsoftware is production (品質追求)である」、と語っていました。 

ソフトともの造りと業種は違いますが、クスマノ先生も藤本先生も同じような問題意識を指摘しているのだと思います。 

あと、10年以上も前の昔に、ソニーの盛田 昭夫さんが、「日本は今までは良いものを安く売ることを目指してきたが、外国企業を見習って良いものを価値に見合った値段でを売ることを目指さなければいけない」とおっしゃっていました。 同じ問題意識を指摘されていたのですね。

投稿者 motlab : 2005年03月27日 20:52