« 子供に見せたくない番組: みんなのモンダイ | メイン | 「第2章 強い工場・強い本社への道」 »

2005年03月22日

「第1章 迷走した日本のもの造り論」

日本のもの造り哲学 「第一章 迷走した日本のもの造り論」のレビューです。 メインのメッセージは、「日本の競争力」とか「十把ひとからげ」の議論はやめましょう、ということです。 

★★★ 日本のもの造り哲学 Amazon紹介ページへ ★★★

重要なキーワード:
・ アーキテクチャ分類: 擦り合せ型(インテグラル)と組み合わせ型(モジュラ)
・ 統合型もの造りシステム
・ 長期能力主義と長期関係主義

ポイント:
・ 「十把ひとからげ」の議論からアーキテクチャ分類に根ざした議論へ
日本はNo. 1と論じたり、競争力が落ちたと論じたりしても意味がない。 いまだに強い分野もあれば、弱い分野もあり、区別して議論する必要がある。 また、既存の産業分類で区別して議論しても、正確な議論はできない。 アーキテクチャに基づき分析し、戦略論を展開すべきだ。 

・ 擦り合せ型と組み合わせ型
アーキテクチャの議論で重要な分類。 それぞれの定義は省略 (みなさん、だいたい知っていると思うので)

・ 統合型もの造りシステム 
急速な成長期において、日本は従業員や下請けを大事にしながら能力構築してきた。 このため、チームワーク重視の組織能力を持つ現場システムになっている。 これを統合型もの造りシステムと呼ぶ。 そして、このようなシステムは、製品アーキテクチャが擦り合わせ型の場合に、競争優位となる。

・ 長期関係主義と長期能力主義の区別
統合型もの造りシステムの特徴でもある長期取引が最近になって悪く言われているが、「長期関係主義」と「長期能力主義」とを区別して議論する必要がある。 昔から知っているから、出資しているからという理由で取引先を選択する「長期関係主義」は競争力にマイナスである。 しかし、長期にわたって取引先の能力を評価し、切磋琢磨してもらうという「長期能力主義」は統合型もの造りシステムの競争力の源泉である。

感想:
ポイントはこんなところでしょうか。 あと、藤本先生が提唱している考え方で「現場の戦略論」というのがあります。 現場の調査、分析に基づいて戦略をたてましょう、ということです。 

長期関係主義と長期能力主義の区別は考え方として重要であると同時に、実行においては難しい課題ですね。 長期な取引が長期関係主義に陥らないようにするためにはどうしたらよいか、は多くの人にとって共通の悩みでしょう。 

投稿者 motlab : 2005年03月22日 00:07

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://motlab.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/132

コメント

コメントしてください




保存しますか?