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2005年03月13日

MIT TR 3月号 基礎研究費不足に陥っているアメリカ、など

MIT Technology Review 3月号で面白かった記事を紹介します。

・ブームが過ぎた電子マネー研究 "Cybercash on Vacation"
・スタートアップ企業紹介 デスクトップサーチ Blinkx
・マイクロソフト 北京Labが進める死の谷越え
・イノベータのためのファイナンシング環境2005 基礎研究不足に陥っている米国

1. ブームが過ぎた電子マネー研究 
Cybercash on Vacation

1997年に暗号化学者たちが"Financial Cryptography Conference"を開催したときには、金融業界や身分を明かさない個人まで集まって盛況だったのに、最近はただの学者の集まりになってしまっている。

主なの要因は、ネット上での支払い手段としてクレジットカードが普及したこと。 Amazon, WalmartなどのEC商店での買い物でクレジットカードを使うことへの消費者の抵抗はあまりない。 オークションではPaypalなどフロントエンドサービスとして、裏でクレジットカード決済を行うことが定着している。 この状態では、新たな決済手段へのニーズは低い。

暗号学者たちは、新たな訴求点を模索している。 一つは、マイクロペイメント。 もう一つは、詐欺やプライバシー漏洩に耐性のある決済手段。

2. スタートアップ企業紹介 デスクトップサーチ Blinkx
Search for Couch Potatoes

デスクトップサーチを早期に開拓したスタートアップ企業のBlinkxの紹介。 

Blinkxの他のデスクトップサーチとの違いは、ユーザに検索語を入力させるのでなくユーザの日常的なPC操作に基づいて検索してユーザが求めているファイルを提示する点。 また、検索結果が"too many"よりもむしろ"too few"となるようにチューニングしている。 

成長のための当面の課題はソフトダウンロード数を増やすことであり、そのために他のオンラインサイトとのパートナシップモデルを模索している。 ビジネスモデルとしては広告収入に依存する形態になりそう。 

ユーザ数の争いでGoogleなどに対抗できるか、ローカルファイル親和性の高い広告をみつけることができるか、などが課題。 

また、マイクロソフトが同種の機能を将来のWindowsで提供するのではないか、という心配もある。

3. マイクロソフト 北京Lab が進める死の谷越え
Microsoft: Getting from "R" to "D"

研究所とproduct groupsとの間のギャップ
がかねてから問題となっており、この橋渡しをミッションとするAdvanced Technology Centerを2003年11月に北京に設立した。 

発足時は20人の組織で2~3のプロジェクトを担っているだけだったが、約100人のスタッフを抱え、17のプロジェクトを抱える組織に成長している(2004年末時点)。

ATCが現在推進しているテーマは、検索、自然なインターフェース、モバイル、など。

運営上の課題は、米国との文化、コミュニケーションギャップを低くすること、品質を維持しながら組織を大きく成長させること、スキルを身につけた従業員が離職しないようにすること、などである。

4. イノベータのためのファイナンシング環境2005
Tech + Finance 2005

国の研究費は増えてはいるものの、防衛関連の研究費が大幅に増額されたため、防衛関連以外の分野の研究費は減っている。 特に、NSFの研究費は0.3%減額された。 

VCについても、アーリーステージの企業に対する投資は減っている。 特に、ナノテク系企業への投資は減っている。 一方で、RFIDなど実用化目前の技術に関する企業は盛ん。 その他、VCが注目している分野は、モバイル、インターネット上のビジネス(最近、また復活)、ITセキュリティ、バイオ、など。 

パブリック市場では、バイオテクノロジー企業を中心にIPO数が増えている。 また、インターネット株が再び熱くなっている。

ライセンシングについても、事業化フェーズの技術のライセンシング依頼へ集中しつつある。

投稿者 motlab : 2005年03月13日 10:00