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2004年05月01日

まとめ

7章のまとめではガウアー先生が分析を総括しています。 ここでは、私なりにこの本が示唆するところをまとめたいと思います。

Make/Buy議論への警鐘 
Make(内製)/Buy(外注)の判断、の議論や、 プラットフォーム戦略で外部にアプリケーションや周辺機器開発を委ねる、という考え方は昔からありました。  しかし、外部開発者に委ねるとしても自社が無関心でよいわけでは決してなく 外部開発者の協力を引き出すための周到な戦略と膨大な努力が必要です。   そのための戦略なしに、単に自社が得意でないからという理由で、外部依存の判断をしても無意味です。  この本は、プラットフォームというのは単にインターフェースを開放すれば自然にできるものではなく、 周辺を巻き込む活動をしながら作るものである、ということを示唆していると思います。

周辺も自力で作れる能力を維持することの重要性 
仮に周辺の開発を外部に委ねるとしても、一方で周辺も含めて自力で作れる能力を維持することは重要です。 例えば、市場立ち上げのフェーズでは周辺も含めて垂直統合的に価値を創造する必要があります。 また、Intelの例が示すように、周辺の開発能力を維持することが アーキテクチャ設計能力や周辺プレーヤに対する交渉力の獲得につながります。

中立的なアーキテクチャリーダシップ活動の重要性 
周辺プレーヤからの信頼を得るために、自社の事業部とは分離された部隊で アーキテクチャリーダシップの活動を行うことが重要と思いました。 ただし一方で、自社の事業化計画によってアーキテクチャ推進部隊の活動が裏づけされていないと、 アーキテクチャ推進部隊のいうことを周辺プレーヤが信用できないので、 独立でありつつもロードマップについて事業部と合意がとれている必要があると思いました。

社内の利害対立を容認することの重要性 
技術開発の成果を周辺プレーヤへも開示・提供することが自社の事業部にとって”敵に塩を送る”ような行為になるので、 社内の利害対立が発生します。この利害対立はプラットフォーム的なビジネスを行う企業にとっては避けられないものです。 この種の利害対立をタブーとして避けるために開示をためらうことは長期的な自社の事業を妨げることにもなりかねないので、 自社事業の収益と周辺プレーヤも含めた自社のエコシステムの成長とどちらを優先させるかをケースバイケースで判断する姿勢が大事だと思いました。

投稿者 motlab : 2004年05月01日 01:28