« 6章:コモディティビジネスの避け方 | メイン | 今月のdancyu あらさき蟹 »

2004年01月22日

6章考察:CC流スケーティング術について

まずは考察でなく感想になってしまうのですが、6章は私のお勧め部分の一つです。 技術の成長に伴い原理的に発生する利益の源泉の移動を意識した新ビジネス育成の必要性、誤ったコアコンピタンス思想に対する警鐘、など大いに納得、共感します。

さて考察です。 伝統的な日本企業がCC流スケーティングを実践できるのか、またそれを実践すべきなのか、については再検証が必要だろうと思います。

実践できるかについて 
CC流スケーティングを実践するには、企業買収や積極的な中途採用などによって未知のスキル(=人材)を獲得していくことが必要でしょう。 社会がだいぶ変わってきているとはいえ、日本産業界ではまだスキル(=人材)がアメリカほど流動的ではありません。 従って、日本企業が実践していくにはスキルを流動化させるための更なる施策が必要でしょう。

実践すべきなのかについて 
アメリカ企業の技術力(アメリカ型技術力)と日本企業の技術力(日本型技術力)との質の違いを意識する必要があると思います。 アメリカ型技術力はプロダクトイノベーション、ビジネスイノベーションを得意としています。 一方、日本型技術力はプロセス改善(現場での改善)を得意としています。 日本型技術力の背景には日本企業が長期的な雇用関係のもとで従業員を育成していることがあると思います。 CC流スケーティングを過度に目指すことによって日本型技術力が失われるようなことがあってはならないと思います。

もちろん、日本のなかでも近年に急成長した会社については、伝統的日本企業に比べCC流スケーティングの実践が容易でしょうし、またこれが適しているのでしょう。 つまり、自社の技術力がアメリカ型なのか日本型なのかを見極めて、CC流スケーティングを実践するか否かを判断する必要があるのではないでしょうか?

とはいえ、日本型技術力だってコモディティ化に無縁ではないので、伝統的日本企業にもスケーティング(新ビジネス育成)は必要でしょう。 同一市場のなかでバリューチェーン上をシフトするのでなく、コアコンピタンスを活かせる別の市場を求めるような日本型スケーティングを模索してくべきではないかと思います(注1)。

注1: 例えばノリタケは今ではPDPディスプレイ市場の上流ビジネスもするようになりました。

投稿者 motlab : 2004年01月22日 21:51

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://motlab.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/80

コメント

コメントしてください




保存しますか?