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2004年12月29日
生きていられるということ
結婚10周年を記念して、12月23日から27日まで家族でプーケットに滞在しました。 ただ楽しい思い出を作るつもりだったのですが、世界史に残る大災害を体験し、生き方・価値観を深く考えさせられました。
--- 災害当日の私たちの体験 ---
私たちはパドンビーチ(最も被害の大きかったビーチ)から陸側に500メートルほどのホテルに滞在していました。 他の日であればパドンビーチに行っていただろうと思うのですが、当日はコーラル島にいく一日ツアーに出かけました。
プーケットのシャロン湾を午前10時にスピードボードで出航し、コーラル島へ向かう海で沖の方にある津波を発見しました。 ツアーガイドのとっさの判断で船の針路を変更し、ロン島という近くの島へ避難しました。
ロン島にみんなが上陸してから3分後ぐらいに最初の津波が来ました。それから15分後ぐらいに大きな津波が来ました。 私たちは急いで陸地へ走り、草木がしげる丘の斜面をはいあがりました。 後ろを振り返る余裕はなく、少しでも高い場所を目指してはいあがり続けました。 4歳の次女はツアー会社のスポーツインストラクターに抱えられていました。
大きい津波は2~3回だったと思います。 結局、丘の上を上り詰めるような津波は来なかったので、私たち家族を含め、ツアーの一行は助かりました。 トランシーバーで内地と連絡をとっていたガイドの判断で、2時ぐらいにロン島を離れ、シャロン湾に戻りました。
シャロン湾に戻ったものの、すぐにホテルには戻れないことを知りました。 むしろパドンビーチの方が大きな被害を受けていることをその時に知ったのです。 パドンは避難エリアになっており、道路も封鎖されていました。 また、「戻っても、パドンのホテルはすべて閉鎖しているはずだ」と現地の人に言われました。
夕方にダウンタウンの臨時避難センターに移動し、そこの芝生の庭で野宿することを覚悟しました。 その場では、生存情報として自分の国籍と名前を登録したり、たまたまあったPCを借りて生存を伝える電子メールを送ったりしました。 旅行者たちは不安から迫るような勢いで現地スタッフらしい人に問い合わせるのですが、現地スタッフの人たちは逆切れすることなく、一生懸命に対応してくれていました。 よくよく考えるうちに、こんな災害対応を仕事としている人などいるわけもなく、おそらく多くの人はボランティアなんだろう、と気づきました。 だんだんと「自分も助けられているばかりではいけないな」と思うようになり、現地スタッフの人に「もし日本語通訳が必要な時は声をかけてください。 あそこの木の下にいますから」と進言しました。 (2回ぐらい呼びに来られたのですが、行くと”日本人らしいツーリスト”はいなくなっており、結局貢献する場面はありませんでした)
夜の10時に道路封鎖が解除されました。 ツアー会社の人が、ホテルが再開していることを確認し、そこまでのタクシーを手配してくれたので、午前1時30分にホテルに戻りました。
--- 振り返って感じたこと ---
ホテルに戻り、子供の寝顔を妻と眺めながら、家族全員が無傷でいられたことをしみじみと有り難く思いました。 そして、生きていられるということの意味を深く考えました。
能力や成果は自己の努力で築くことができるかもしれない。 しかし、その前提となる生きていられるということは自己の努力に基づくものではない。 生きていられるということ ・・・ それは運と他の人の支援に恵まれている証拠なのだ。
もし、いつも通りにパドンビーチに行っていたら、私たちは無事でなかっただろう。 また、ツアーガイドのアッチャンが沖の方にある津波に気づかなかったら、波に巻かれていただろう。 また、タイミング的にもちょうどロン島にボートが近づいていたので、陸に避難することができた。場所・タイミング・人、などいろんな要素に恵まれていたから、助かったのだろう。 一言でいえば運が良かったということだけど、運がいかに貴重なものかを思い知らされた。
また、私たちがホテルに戻るまでずっと面倒を見てくれたツアーガイドのアッチャン、丘の斜面を這い上がる時に次女を抱えてくれた現地のスポーツインストラクターの人、避難センターのボランティアの人たち、など多くの人の支援に恵まれた。 彼らの支援がなければ、小さな娘を抱えた私たちは路頭に迷っただろう。
生きていられるという恵みに報いるため、自分も仕事・私生活あらゆる面で社会に貢献する気持ちを持ち続けなければいかない。 この体験を糧に、家族全員でそういう価値観を共有していきたいと思う。
PTSDの心配があるので、自分たちがどれほど危険に隣接していたかを娘たちには今は言わないつもりだ。 だけど、「多くの人に助けてもらったね。自分たちも人を助けられる人間にならないといけないよね」と話し合った。
あと5年ぐらいして結婚15周年の折にでも、娘に今回の体験を説明し、生きていられるという恵みを認識させたいと思う。
追記: タイ王国が義援金を募集しているそうです。 私はもちろん送金するつもりですが、この場で紹介させていただきます:
------ 津波災害に関して (タイ大使館HP) より -------
2004年12月26日にタイで発生しました大規模な津波に関しまして、寄付のご意向を数多く頂戴致しております。タイ王国大使館と致しましては、皆様に心よりお礼申し上げますとともに寄付のご意向がある方は、下記銀行口座までお振込み頂きたく、ここにお願い申し上げます。
銀行及び支店名: UFJ銀行、東京営業部
口座種類: 当座預金
口座番号: 610618
口座名: バンコク銀行東京支店
振込人名: 113005という登録番号を入力してから、
振込人名を入力して下さい。
振込みに関して何かお問い合わせがございましたら、バンコク銀行東京支店(TEL:03-3503-3333/03-3503-6797)にお願い申し上げます。
在京タイ王国大使館
2004年12月28日
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投稿者 motlab : 2004年12月29日 22:12
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コメント
それはそれは本当によかったでした。
天災は誰でも人を等しく扱うものですもんね。その現実に直面され、幸運に思いを至らされたというのは
何となくわかる気がします。
、、、わかった気になってはいけない大き過ぎる現実でもありますが
私自身も生かされている幸運を再認識しています。
来年もまた幸運な一年でありますように。
投稿者 zoffy : 2004年12月31日 00:17
zoffy様
コメントありがとうございます。
良い新年をお迎えください。
投稿者 Masa33 : 2004年12月31日 15:07
あらあら...
こういう状況だったとは、いま改めて知りました。
とぼけたメールを送ってごめんなさい。
非日常によって、生きるとか存在する意味を考える。
貴重な体験だと思いますが、それは生きているからいえることで...無事のご帰国、何よりでした。
来年は、みんなが幸福な年でありますように。
ではでは...
投稿者 kwmr : 2004年12月31日 22:24
kwmr様
コメントありがとうございます。
年末のメールもありがとうございました。とりあえず家族を無事に家に帰してからは、他のことを考える余裕もできてましたので、ご心配なさらず。
今年はみんなにとって災いの少ない年になることを願っています。
遅れましたが、
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
投稿者 Masa33 : 2005年01月01日 09:06
はじめまして。
大変でしたね!
本当に無事のご帰国、何よりでしたね。
今年は平穏・安全な一年でありますように。
投稿者 siva : 2005年01月11日 00:00
siva様
コメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿者 Masa33 : 2005年01月12日 00:18
Masa33さん、ずっとみていない間に凄い経験をされたようで、痛み入ります。なんともあれ、無事でよかったですね。私の知人がインドネシアにおり、もう大変な状況の下にいると聞いています。
今日も、早朝に強い地震が起きましたね。いつ何が起こってもおかしくないと思って、一日一日を大事に生きていきたいものですね。(今回は、まじめモードになってしまいました)
投稿者 べええ : 2005年02月16日 22:20
べええ様
心遣いありがとうございます。
Masa33
投稿者 Masa33 : 2005年02月27日 23:04