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2004年12月19日

これでいいのか米国IT業界 -- 特許侵害リスクによる参入障壁構築 --

オープンソース使用に伴う特許侵害リスクに関する記事が2004年11月17日付けeWeekに掲載されていました。(Yankee Group Sees Open-Source Indemnification Nightmare) 記事を読みながら、米国IT業界のイノベーションも減速しそうだなぁ、という印象を受けました。

記事のポイント:

1. ソフト購入判断においては、特許侵害時の賠償コストをソフト提供ベンダが肩代り(indemnification)してくれる約束が契約条項に含まれていることを確認すべきだ、という調査レポートをYankee Groupsが発表した。
2. これは、マイクロソフトのキャンペーンの内容を補強するもので、安価なオープンソースベースのパッケージを商用利用することへの忠告となる。
3. 例えばNovelは、SuSE Linuxの提供において、肩代り条項を提供契約に含めているが、1カスタマあたり150万ドル(=1.65億円ぐらい)と上限を定めている。Novelは、オープンソース利用に関する特許侵害訴訟は未だ実際には発生してないのだから、この上限で十分であると主張している。
4. 一方で、ソフト利用者にとって最も安心な保険となる肩代り条件を提示しているのはマイクロソフトである。
5. Public Patent Foundationの代理人のDan Ravicherはマイクロソフトのキャンペーン内容に関して、ソフト製品選択において特許侵害リスクへの対策費用を考慮すべき、という点には同意している。 しかし、 ビジネスのサイズによらずいかなる場合でもマイクロソフト並の肩代り条件が必要であるとは限らない、と主張している。
6. hpもマイクロソフトと同じスタンスで最高レベルの肩代り条件を提供している。

考察:
反マイクロソフト側の人達も、結局、 オープンソース利用時には特許侵害リスクのカバー方法を検討すべき。特に規模の大きいビジネスをする場合にはそれに見あった対策が必要、という点は認めているようですね。
上記ポイントが常識となるのであれば、規模の大きいビジネスを抱える企業にソフトを提供できるベンダは巨大ITベンダに限られてしまうでしょう。 なぜなら、特許肩代り条件をユーザに提供できるのは、折衝持の武器となる強い特許ポートフォリオを持っている企業に限られてしまうからです。
この状況では、ベンチャー企業は巨大ITベンダと連携しなければ大企業向けにソフトを提供しずらくなるでしょう。 巨大ITベンダにとって破壊的イノベーションとなるようなベンチャーは難しい世の中になりそうです。
米国にとって本当にそれでいいのかなぁ?? 数年後には米国IT業界による支配はなくなっているかも、と思いました。

投稿者 motlab : 2004年12月19日 14:57

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