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2004年06月29日
クスマノ先生の講演 The Business of Software
MITスローンスクールのクスマノ先生が来日しており、The Business of Software についての講演を聴いてきました。 1時間30分の講演会だったので、ほんのさわりだけです。
冒頭でクスマノ先生がPersonal Viewとして紹介したのは、日米欧のソフトウエア創造活動に対する価値観の比較:
Europe : Software as Science ... アーキテクチャにこだわる
Japan: Software as Production ... 品質、生産効率にこだわる
US: Software as Business ... いかに金をもうけるかを考える
Google, Yahoo, A9などのシリコンバレーで成功しているビジネスはScientistsが支えているという見方もあるので、ScienceがEuropeというのは異論があるかもしれない。 EuropeのScienceについてはPhilosophyとでも読みかえれば、しっくりくるなと思った。 また、これってソフト創造活動というよりも、エンジニアリングに対する価値観について日米欧の特徴を示しているかもしれない。
上記はほんの前ふりで、本題は パッケージ売りビジネス vs SIer的なサービス・保守ビジネスのどちらを志向するかという話題。
1. かつで、アメリカのソフト業界はパッケージ売りビジネスを志向していた。 マージナルコストはほぼ0なので、ビジネスが成長しやすい。 このため、VCたちもパッケージ売りのビジネスモデルを評価した。 SIer的なビジネスは人件費ヘビーなので、ビジネスが拡大すれば経費も増えてしまう。このため、VCたちもあまり評価しなかった。
2. しかし、不況においてはパッケージ売りビジネスよりもサービス・保守ビジネスの方がロバストである。 不況下において、企業は新規ソフトの更新は抑制するが、使用中のシステムに対するサービス・保守費は払い続けるからである。 つまり、 好況・不況の環境変化に合わせて、ビジネスモデルをシフトしていくことこそが重要である。 また、一番現実的なのはパッケージ売りとサービス・保守ビジネスの双方で収益をあげるハイブリッド型である。
3. このため、最近は米国の多くのソフト企業がパッケージ売りビジネスからシフトし、サービス・保守ビジネスの比重を高めている。 (いくつかの米国企業のパッケージ売りとサービスの売り上げ比の推移を示しながら立証)
というのが講演の論旨でした。
パッケージ売り vs サービス・保守ビジネスの特徴については、ビジネスの現場にいる人は感じている内容だと思います。 ただし、不況下において多くの米国のソフト企業が方針転換をしたことをデータを示しながら定量的に立証した点は価値があると思いました。
ところで、パッケージ売りからサービス・保守ビジネスへの転換て簡単じゃないですよね。 パッケージ売りの場合には、特定の機能に関するプロダクトの開発に集中できます。 一方でサービス・保守ビジネスでは、顧客にトータルソリューションを提供するための商品の取り揃えと顧客密着型のサポート体制が必要となります。 この辺の転換の方法論が重要だと思うのですが、講演の中では聞けませんでした。 本には書いてあるのかもと期待しています。
また、このようなダイナミックな転換を実行してきた米国のマネージャたちはすごいな、と思いました。 これこそがSoftware as Businessというマインドなのですね。 決して、ネガティブな表現ではないことがクスマノ先生の講演を聞いてわかりました。
投稿者 motlab : 2004年06月29日 00:25
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